平素は疎遠にしているような親戚でも不幸があるときは寄って来て共に悲しみ慰めてくれます。こんな時の血の繋がりのもつ暖かさをしみじみと感じるものであります。

しかし、このよな良いことばかりではなく親戚の「厄介者」という言葉があります。

これは「厄介者」に、親類は常に不愉快な気持ちにさせられる人も多いのも事実であります。これとは逆に厄介者は、親戚によって泣かされるということも出てきます。

夏目漱石は「道草」の中に厄介者について書いています。厄介者は「世の中に片付くなんてものは殆どありゃしない。一遍起こったことは何時までも続くのさ、ただ色々な形に変わるから他人にも自分にも分からなくなるだけだ」と言っています。夫婦関係が夫の親類、妻の親類の存在によって揺さぶられることは多くあります。そのような時は親類の存在を嘆いたり、お互いの親戚の悪口を言い合ったりするよりも、自分たち家族をより緊密にするための機会として考えることが良いのではないでしょうか。