適応障害とは、おかれている環境に適応できずに、そのストレスによって様々な心身の症状が現れて社会生活に支障をきたすものを言います。
例えば、入学、就職、昇進、失業、結婚、離婚、独立、病気、事故などの明確な強いストレスを受けた場合です。
適応障害は、強いストレスを受けた後、3か月以内に抑うつ気分や不安、怠学などの行動障害といった症状が現れ日常生活に著しい影響を及ばします。

一つの例として皇室雅子さまが「適応障害」であることを宮内庁が明らかにしています。

一般的な症状としては

  • 1 情緒的症状・・・不安、抑うつ症状、焦燥、過敏、混乱、涙もろさ絶望感、イライラ感等
  • 2 身体的症状・・・不眠、食欲不振、全身の倦怠感、易疲労感、頭痛、肩こり、腹痛等
  • 3 問題行動・・・・遅刻、欠勤、早退、出社拒否、不登校、引きこもり、過剰飲酒、ギャンブル中毒な等
  • 4 幼児の場合・・・夜尿症、幼稚な話し方をするといった退行現象が見られます。

不適応状態に気がつかずにおきましと次第に対人関係や社会的機能が不良となり、仕事にも支障をきたし、引きこもてうつ状態になります。
適応障害は、過去には「心因反応」と言われていましたが、現在では米国の診断基準で適応障害という診断名を使い始め、それをWHO〈世界保健機関〉の診断基準も取り入れました。
これによりますと適応障害の診断基準は「明らかに心理的・社会的ストレスに対する不適応な状態」に限定しています。

予 防

日ごろからストレスを溜めない生活を工夫することです。また、ストレスを避けることはできないことを認識していおくこと。

  • 1 趣味持ち気楽に付き合える友人を持つ。
  • 2 自分のものごとの受け止め方はどうであるかをしっておく。
  • 3 軽いストレスを感じた時は、気分転換をおこなう。
  • 4 家庭と職場の区別をきちんとつけ気持にメリハリをつける。
  • 5 人生を楽しむこと。

対 応

適応障害は、まず原因となっています強いストレス状態から解放することが良いのですが、まずはストレス状態を軽減することが第一です。
つまり、本人が適応しやすい環境作りに努め、場合によっては休職、休学して休養することが大切です。また、心的葛藤に対しては、カウンセリングを受けるなど心的援助も必要です。
薬物療法においては、抗不安薬、抗うつ薬等の服用などがあります。
なお、心配な場合は早めに専門医に相談してください。