子育ては、お金と時間、そして手間のかかる大変な仕事であります。夫婦で力合わせてやっていかなければできません。ですから子どもを産み育てることは親としての一代決心です。親の条件として次のようなことが求められています。

1 家族を持つ覚悟を決めること。

子育ては、途中で止めたというわけにはいきません。特に経済的な面では現在のように不況の中で、いつボーナスがカットされるか、リストラされるのかと不確定な要件の中で生活することは大変厳しい環境にあると言えます。そんな困難な中での子育ては相当の覚悟がないと共倒れになってしまいます。

2 子どもの発達課題をきちんと果たす親であること。

子どもが大人になっていく中で、年齢に応じた発達課題があります。子育てでは、これをきちんとクリヤーしていかないと後々子どもに問題が生じてくることが多いようです。
日本には昔から子育ての過程として「愛すること」「しつけること」「教えること」といったプロセスで子育てをしていました。
最近の子育ては少々このような発達課題が欠落して大人になっている人が多いように思います。それは、近年の少子化で、お母さん方が子育てに集中してしまい、そこから自尊心を子供で満たそうとし、無意識のうちに自立をしようとする子供を手放すことを拒み歓心を買おうとしている傾向にあります。全てのお母さん方がそうだとは言いませんが、少子化や豊かな生活の中から大切に育てられた結果このようなことになったと思います。

子どもは意外とたくましいものです。そのたくましさを伸ばしてあげるのが親です。間違っても子どもの成長の邪魔をするようなことがあってはならないと思います。

3 子育ての最終目標は子どもを自立させることです

以前に「シンドローム」と「パラサイロシングル」という言葉が流行しましたが、これは、子どもの自立を遅らすことを容認した言葉であります。子育てには成長の過程があります。その過程が、親にあまり関心をもたれなくなってきています。その結果子どもの自立がうまくいっていないように思います。その一つに不登校や社会的引きこもりなどが依然問題になっています。
 
これから子育てを始める方々は子育ての最終章は子の自立であります。子どもが自立するということは、ある意味では税金を払い社会に貢献することであります。親が抱え込んでしまい、子の成長を遅らすことは避けたいものです。
織田信長のお父さんが言っていました「母親にいつま間でも子(男の子)を預けておくと腑抜けになる」とまた、江戸時代の子育てでも12歳くらいになれば丁稚奉公に出さないと役に立たないと言っております。これは決して食い扶持を減らすだけの目的だけではありません。子の自立を考えた良いシステムであると思います。
これからの厳しい社会情勢の中で生活していくことは、ますます大変になってきます。「子の自立は親のプレゼント」です。子どもには苦労をさせましょう。

参考 「子育て10年、子離れ10年」、「一年に1メートル離して自立させてゆく」です。